Starting point
全部AIに渡しても、開く件数は減らない
仕訳でも、分類でも、下書きでも同じです。AIに丸ごと渡すと空欄は埋まり、画面のうえでは片づいて見えます。
けれど誤りが何件かあるとして、それがどの行なのかは一覧からは分かりません。分からなければ、安全側に倒して全部開くことになります。消えたのは書く時間で、開く回数のほうはそのままです。
The structure
一度決めた条件に当たったものは、都度は判断し直さない
先に条件を決めておく、というやり方があります。この交通サービスなら旅費交通費、飲食は一万円を境に会議費と交際費に分ける。条件そのものには、最初に一度だけ人が目を通して承認しておきます。
承認済みの条件に当たったものは、明細ごとに判断をやり直す理由がありません。当たったかどうかは機械が判定できるので、結果の一覧を眺めるだけで足ります。
その場の推論で決めたものは、そこが違います。条件が事前に固定されていないので、一件ずつ「今回はこれでいいか」を見ることになります。
AIに渡す件数を減らすと、人が開く件数はそれ以上に減ります。
Live model
条件を足しながら、開く件数を数えてみる
架空の明細を10件並べています。押す前は、全件をAIに渡している状態です。条件を入れるボタンを押すと、当たった明細が確定に移り、上の二つの数字が動きます。
条件に当たらなかった明細には、AIが科目の案と、そう考えた理由を添えて出します。人はそれを見て、そのまま採用するか直すかを決めます。案が読めても開いていることに変わりはないので、開かずに済むのは条件で確定した分だけになります。
10件の明細を仕分ける
| 条件をどこまで入れるか | 人が開いて決める件数 | 開かずに済む件数 |
|---|---|---|
| 何も入れない(全件AIに渡す) | 10件 | 0件 |
| 三つとも入れる | 4件 | 6件 |
決める件数 10件
済む件数 0件
いまは全件をAIに渡しています。起票は全部済みますが、開く件数は一件も減っていません。
AIはどの状態でも、条件に当たらなかった全部に案を出しています。それでも人が開く件数は、条件を入れた分だけ落ちていきます。
Closing
数えるのは、開かずに済んだ件数
何割をAIで処理したかは、外から説明しやすい数字です。ただ、その割合が高いほど手元が楽になるとは限りません。全件にAIが案を出した状態は、割合のうえでは満点で、開く件数は一件も減っていません。
AIが理由を添えてくれれば、一件あたりは軽くなります。それでも、採用してよいかを決めるのは人なので、開くこと自体はなくなりません。件数を動かせるのは、先に決めておいた条件のほうです。
範囲を広げることが自動化なのではなく、開かなくていいものを増やすことが自動化なのだと思います。範囲は、狭いほうが効くことがあります。